杉匠真、テネリフェW杯 U-17クラス優勝

匠真、ついにユースクラス優勝です。

Windsurfing-mgzから

http://windsurfing-mag.jp/news/2018/08/9356/

杉匠真、テネリフェW杯 U-17クラス優勝

PWA WORLD TOUR 2018 / Tenerife PWA World Cup
EVENT_08 / Wave Men #2・Wave Women #3
El Medano, Tenerife, Canary Islands, Spain_2018.08.05-08.11

次世代ライバル対決を制す

Takuma Sugi(J-7)1st Place in Youth Under 17 at PWA World Tour_Tenerife

Takuma Sugi(J-7)1st Place in Youth Under 17 at PWA World Tour_Tenerife

(8月6日、7日、カナリア諸島・テネリフェ島、スペイン)
ついに勝った。杉匠真(16歳)が『テネリフェ・PWAワールドカップ』のU-17クラスで優勝した。
日本選手としては異例の快進撃を続ける杉だが、ここまでの道程については、長かった、と感じているかもしれない。

彼が夏休みにグランカナリア島の強風ポイント・ポッゾ(Pozo)で長期合宿を張るようになったのは2016年からだ。以来PWAカナリア諸島シリーズへの参戦も続けている。以下はそのリザルトである。
2016年ポッゾ大会・ユース12-13クラス2位/2017年ポッゾ大会・U-14-15クラス3位/2017年テネリフェ大会・U-14-15クラス2位/2018年ポッゾ大会・U-17クラス3位。
いずれも立派な結果だが、そのときいつも表彰台のトップに立っていたのはスペインのマリーノ・ギルだ。

二人はともに2002年生まれの同い年で、互いに相手を意識している。杉はこれまで、接戦も多かったのだが、そのライバルに勝てなかった。だが今大会で勝った。ひとつの壁を越えた。杉は「練習、トレーニング、研究」という言葉を時々使うが、頭の中では常にそのことを考えているのだと思う。おそらく今なにをすべきかを考えて、懸命に練習を続けている。当たり前のことだが、それはただがむしゃらに練習するというのとは全く違う。杉は今回の勝利によって、自分のやり方に対する自信を深めただろうと思う。そしてその自信は、彼の中に長く留めておけるものになる気がする。負けていても、勝てる。そう思えるようになった選手は強い。杉は相手にとってどんどん嫌な存在になっているように見える。

Takuma Sugi(J-7)/ ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com

Takuma Sugi(J-7)/ ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com

PWAのレポートにはこうある。8月6日、大会二日目。U-17クラス最初のヒート。日本の杉、完成度が高く余裕のあるプレーニング・フォワードとアンクル・ドライ(足首も濡らさぬような完璧な)バックループをメイク、さらにエクセレントな波乗りで得点を稼いでファイナルへ。

文字通り、そのジャンプも素晴らしかったのだが、僕の印象により強く残ったのはPWAが「エクセレント」と評し、杉が自身のブログで「まあまあ」と言っていた波乗りだ。海面はジャンクで、波は小さく、そこに長いフェイスはほとんど見当たらない状態だった。しかし杉は、ある波を捕らえると、ボトムでボードをぐりんっと回してリッピング、さらに次のリップでテイルスライド、おまけにパンピングでスピードをつないでもう一発。小波でリップを三発決めたのだ。この日の海でこれと同じレベルの波乗りができたライバルはいなかったと思う。

翌7日のファイナルでも、杉は波乗りで勝利を引き寄せた。ジャンプではプッシュループとバックループをメイクして、波乗りで「いいリップを2本決め」て、ジャンプのバリエーションが豊富なマリーノ・ギルを退けてみせたのだ。
PWAのレポートも語っている。「(杉には)トリッキーなコンディションの中でいい波を読む力がある。彼はそのドラマチックなウェイブライディングで勝利をものにした」
マリーノは先月行われたポッゾ大会のプロクラスでも17位タイの成績を残した強敵だが、しかしもう勝てない相手ではなくなった。おそらく杉は研究から仮説を立てて実践し、またひとつの強みを身につけたのだ。

テネリフェでは既にプロクラスのヒートが始まっている。
杉はもちろん ──今大会のU-20クラスで5位になった── 石井孝良(17歳)と橋本洋(22歳)も同クラスにエントリーしている。そこは多くの壁が林立し、同時に多くの貴重な研究材料が隠されている特別な場所だ。若い彼らはそこで思い切り戦い何かを得る。そしてやがて、自分なりの方法で新しい何かをアウトプットするようになる。
次は誰が喜ばしい研究発表をしてくれるのか。楽しみですね。

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Takuma Sugi(J-7)/ ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com

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