杉匠真PWAユースワールドカップで優勝

マリーンブルー所属の杉匠真プロがデンマークで行われたPWAユースワールドカップで優勝しました。
以下Windsurfing-Magazineより http://windsurfing-mag.jp/

速報】杉匠真 PWAユースW杯で完全優勝

NoerStick Cold Hawaii PWA Youth Windsurf World Cup 2021
Wave Men & Women / September 12-18 / Klitmøller Denmark
Photo by John Carter_pwaworldtour.com
オールラウンド・キング誕生

Takuma Sugi(J-7)Push Loop / ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com

Takuma Sugi(J-7)Push Loop / ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com

(9月12日 / 9月16日、クリトモラー・デンマーク)

日本の杉匠真(J-7/19歳)がPWAユース・ワールドカップ・U-20クラスで優勝した。

12日に行われたシングル・イリミネーション(最初のトーナメント)、ファイナルの相手は90年代に世界の頂に君臨、百年王者と呼ばれたビヨン・ダンカベックの息子であるリアム・ダンカベック(E-11/17歳)、そしてこれまで何度も杉と対戦して勝敗を分け合ってきたマリーノ・ギル(E-959/19歳)。風はポートのクロスオン、波は最大で頭ほど。しかし風力は弱く、海面はジャンクであり、ダウン・ザ・ラインのラインを見つけにくい。つまり強敵二人と難しいコンディションで戦うことになった。

リアムはギャラリーの歓声を誘う大きなストールフォワードを決めた。マリーノはワンフットバックループ、プッシュループ、リップエアリアルとバリエーションの豊かさを見せつけた。杉も同じようにジャンプをメイクし、そしてこの日唯一の(そしておそらく今大会唯一の)ダブルフォワードをメイクした。それが決め手になったのは間違いない。だがあとでそのヒートの動画を見て印象的だったのは波乗りである。杉は難しい波の中にそれでもましな波を見つけてテイクオフ、インサイドまでアグレッシブに乗り継いだ。サイズもない、フェイスもない、白い泡のスープになり、平らに近くなった波の上で、いくつものフリースタイル的アクションを交えた演技を完遂した。

杉のコメント。「ファイナルはマリーノとリアムと・・・ハイレベルでしたが(ヒート)中盤でダブルループを決め、(シングル・イリミネーション)優勝でした。結構な点差があったので嬉しいです」

Takuma Sugi(J-7)Hard Slash / ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com

Takuma Sugi(J-7)Hard Slash / ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com

16日に行われたダブル・イリミネーション(敗者復活戦→グランドファイナル)でも、杉は弱みを見せなかった。風はスタボーのオフショア(12日とはほぼ逆)波もそれほど大きくはなっていない。しかし(まだ写真で確認しただけだが)杉の動きは大きく見える。

結果、杉は敗者復活戦を勝ち上がってきたリアムをファイナルで下し、見事に勝利を勝ち取った。「スタボーのオフショアの中、優勝しました。試合を楽しみながら勝てて嬉しいです」彼は自らのフェイスブックでそう語っている。

今大会で競い合ったリアムとマリーノのホームゲレンデはスペイン・グランカナリア島のポッゾである。二人は頻繁にポートの強風が吹くそこでトレーニングを重ねている。それゆえにスタボーの風では若干戦闘力が低下する(ように思われる)。だが杉は違う。彼はホームゲレンデの逗子や、御前崎はもちろん、マウイのホキーパやポッゾなど、レギュラーコンディションの異なるポイントにも積極的に遠征してトレーニングを積んでいる。だから苦手なコンディションがない(とっくに克服している)。そのうえフリースタイルでもPWAの大会に参戦し、そこでも世界レベルの技をメイクする彼には苦手な動きというものもなく、そのポテンシャルをもって、ウェイブの動きの中に自然に別の何かを組み込む力も持っている。

杉には弱みがない。それが彼の強みだ。希望の光は全方位から彼のもとに差し込んでくる。いずれどこかに影が生まれることがあるかもしれないが、それは高い光度の中の影だから早期に発見しやすく対処しやすい。

オールラウンダー、杉匠真。若き王者に今のところ死角はない。MLBやNBAと同じくPWAにもドラフト制度があったなら、杉は一巡目の一桁順位で、それどころか1位でどこかのチームに指名されるかもしれない。そんな選手が日本から生まれたのだ。驚きだ。隔世の感がある。とても嬉しい。

Takuma Sugi(J-7)Goiter / ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com

Takuma Sugi(J-7)Goiter / ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com

────────────── Windsurfing Magazine ────────────── ウインドサーフィン マガジン ──────────────

U-20 Podium ▶︎ Liam Dunkerbeck(E-11)| Takuma Sugi(J-7)| Marino Gil(E-959)

U-20 Podium ▶︎ Liam Dunkerbeck(E-11)| Takuma Sugi(J-7)| Marino Gil(E-959)