杉匠真、二戦連続表彰台
PWA WORLD TOUR 2017
EVENT_06 / Wave Men #2・Wave Women #2・Youth Class #2
August 06-12 / El Medano, Tenerife, Canary Island, Spain
「悔しい」2位
PWAウェイブ・ツアー第二戦、テネリフェ大会───
初戦のポッゾ大会に続き、日本のユース杉匠真(すぎ・たくま / 15歳)が表彰台に昇った。
二戦連続の準優勝。優勝したのは、こちらも二戦連続でマリーノ・ギル(14歳)。
リベンジはならなかった。だが情報によれば、杉は見事なワンハンド・バックループをメイクして、ファイナルの終盤までリードを奪っていた。本人も「勝ったな」と感じていた。それだけに「悔しい」と自身のブログに書いている。
2位で悔しい。本気でそう言う若手がいて、僕らもその言葉に共感している。15歳になったばかりの彼の言葉は、どんどんリアリティを増している。
優勝したマリーノ・ギルは強敵だ。杉がこの夏を過ごしたポッゾがホームポイントで、年中そこでトレーニングを積んでいる。今大会ではユースクラスだけでなく、メインラウンド(トップトーナメント)にも出場し、そこでジョン・スカイとジェイク・シェティウィに勝利している。大きなワンフット・バックループとフロント360は、ワールド杯のレギュラーライダーをも打ち破る威力を有する。
杉はそんなマリーノに伍して戦った。二人は互いをライバルとして意識していることだろう。
これから長く戦い続けることになるかもしれないと。
杉と、それから前に紹介した石井孝良、白方優吏、橋本洋らの世界への挑戦は、おそらくこれからも続いていく。
四人は今年の夏をウェイブパフォーマンスの本場であるポッゾとテネリフェで過ごし、世界の力と技を目の当たりにした。その世界に飛び込んで、自分がどこにいるのかを掴んだはずだ。本当の戦いはこれから始まる。
世界には歴としたヒエラルキーが存在する。その場に行かなければわからないけれど、その場に行けばすぐにわかる。
彼らはこれから常にそんな世界を意識して戦うことになる。毎日本物の世界を意識して過ごすことができる。
ピラミッドの頂点は高く遠い。だが若い彼らとそうではない誰かとでは、頂点までの距離の感じ方は当然異なる。
彼らはおそらく世界の技を見て「できる」と感じ、そこにも「登っていける」と信じている。
そういう若さは時間も空間も可能性も広げる。
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