Mercedes-Benz Aloha Classicが終わりました。
ダブルイリミネーションは行われず匠真のユース優勝が決定しました。
応援してくださった皆様、ありがとうございました。
以下Windsurfing-MGZより
杉匠真、アロハユース・シングル優勝
Aloha Classic 2019_Day 4
PWA EVENT_11 / Wave Men & Women #4
October 27-November 09 / Hookipa Beach Park, Maui, Hawaii, USA
Photo by John Carter_pwaworldtour.com
速報! 石井孝良も3位表彰台に
(10月31日『Mercedes-Benz Aloha Classic 2019』大会4日目)
アロハクラシック・ユースクラス・シングルイリミネーション(最初のトーナメント)ファイナル。勝ち残ったのは、ホキーパローカル、ザッカリー&ジェイクのシェテウィ兄弟と、逗子の杉匠真、御前崎の石井孝良の4人。
風はライトウインド、というか沖での波待ち時にはスネまで沈む超微風。波はセットでマストオーバーと、サイズこそあるもののそれほど掘れず、すぐにトロくなってしまうという難しいコンディション。選手たちには気の毒なくらいだ。
だが杉はそんななかでも輝いた。誰よりも多くの波に乗り、彼ならではのオリジナルマニューバーを描いてみせた。テイクオフから風上に波を引っ張っていく際にはシャカ、何度かのターンを入れて、波がトロくなったセクションではタカ(フラカ)ポンチ(ゴイター)と、フリスタトリックを取り入れて会場を沸かせ、ライブ放送MCのカイ・カチャドリアンを絶叫させた。
フリースタイルとウェイブに本気で取り組み、本気の世界と戦ってきた杉は、総合的なウインド力が極めて高い。ライトウインドのウェイブでは、風に頼ってセイルを引き込むことができず、かといって大きく開いてしまえば進行風が裏風になってしまったり、ブームエンドが波のフェイスに喰われやすくなってしまうものだが、杉はそれを見事にコントロールしていた。
止まったところからボードを走らせていく技術、セイルパワーのオン・オフの切り替えの早さ巧みさで、他の選手を圧倒していた。もちろんそれだけではない。トリッキーなだけでは、ホキーパでのウェイブコンテストでは勝てない。
実は杉がこのヒートで有効ポイント(8.00と6.17=14.17 / ※2位のジェイク・シェテウィの総合ポイントは9.83)を獲得した2本のライディングには、フリスタムーブは組み込まれていなかった。波のフェイスにハイラインをキープして仕掛けたエアーや、3つのターンを見事につなげた波乗りで高得点を獲得したのだ。
杉のボトムターンはカッコいい。セイルの切り替えとレイルの切り替えが瞬時に連動してバシッと決まり、セイルと体でかけたプレッシャーがボードからほとんど逃げていかない。だからレイルを長く使うことができ、その後のマニューバーにスピードが生まれる。
『フリースタイルウェイブ』という言葉が浮かんでくる。彼こそその申し子の一人ではないか、という気がする。
石井も好調だった。オープニングヒートでは、杉のファイナルのそれと同じ14.17ポイントのクラス最高点を獲得した。しかし風が落ちたファイナルでは2本しか波に乗れなかった。それでも3位。立派なものだが、彼の成長の証は、この前日、大会3日目のプロクラス・ダブルイリミネーション(敗者復活戦)で、より明らかに示されていた。
結局そのヒートはキャンセルになったのだが、石井はその時に乗った1本の波で、8.12の高ポイントを獲得した。波はほぼダブルマスト、7m近くはあっただろうと思われる。ボトムターンからリップまで、フェイスは長く、その頂点までの旅はスリリングなものだったろうが、彼はその波を見事にメイクしてみせた。その日のベストライドだったろうと思う。PWAのウェブサイトのデイリーカバーにも、そのときの彼の写真が使われている。
石井はデカ波でもイケる! 間違いなく多くの人にそう思われ、何人かの人からはそう言葉を掛けられているかもしれない。それは彼の自信につながり、彼のライディングの幅を広げ、彼をさらに強靱なウェイブライダーにすることだろう。
アロハクラシックはまだ続く。次はどんなニュースが届くのか、楽しみだ。
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▼『Mercedes-Benz Aloha Classic 2019』Youth’s Elimination / pwaworldtour.com, くまむーびー ※フルスクリーンモードでご覧ください / Watch in full screen mode